「家族だから自分でやらなきゃ」と、母の介護が始まって約1年。最初は無理ばかりしていました。でも、ある日デイサービスのチラシを見たことをきっかけに、介護保険制度の仕組みを初めて知ったんです。
母は今でこそ「要介護2」ですが、初めての認定調査では「要支援1」でした。
このブログでは、私が介護サービスについて全くの無知だった頃、「要支援1」という結果を前にして途方に暮れた経験や、そこからどうやって母と私自身が楽になれるサービスを見つけていったのか、私の失敗談や経験を交えてお伝えしていきます。
この記事を読めば、介護保険の「要支援1」でどんなサービスが利用できるのか、その具体的な内容から、どうすれば効果的に活用できるのかまで、私の実体験に基づいてすべてわかります。

「わからないことは、一人で抱え込まずに専門家に相談するのが一番です」と教えてくれたケアマネジャーさん。
【体験談】介護保険の「要支援1」で受けられるサービスって何?
初めての介護認定で、母は「要支援1」と認定されました。
私は正直、「要介護じゃないなら、特にサービスは必要ないのかな…」と安易に考えていたんです。でも、それは大きな間違いでした。
要支援1でも、受けられるサービスはたくさんあります。これらのサービスは、あくまで「状態の維持・改善」や「自立した生活を送るための支援」を目的としているのが特徴です。
私が要支援1で利用したサービス:訪問リハビリのリアル
母が要支援1だった約6ヶ月間、私たちが最もお世話になったのが「訪問リハビリ」でした。
- サービス内容:理学療法士さんが自宅に来て、母の足腰の筋力維持のためのリハビリをしてくれました。
- 利用頻度:週に1回、1時間ほど。
- 費用:自己負担は1割で、1回あたり数百円でした。(※所得によって変動します)
当時、母は足腰が弱り始めていましたが、家の中を歩くことはまだできていました。でも、転ぶのが怖くて、だんだん動かなくなってしまったんです。訪問リハビリのおかげで、専門家が母の状況に合わせて無理のないメニューを組んでくれたので、母も嫌がらずに続けることができました。
この経験から学んだのは、「要支援1のうちに、将来の要介護状態を防ぐための手を打つ」ことの重要性です。
「介護保険の要介護1」と「要支援1」はサービス内容が違う!
よく混同されがちなのが、「要介護1」と「要支援1」です。
要支援1 | 要介護1 | |
---|---|---|
目的 | 状態の維持・改善、自立支援 | 身体介護・生活援助 |
中心となるサービス | 予防サービス(リハビリ、デイサービス) | 訪問介護、通所介護など |
サービス例 | 介護予防訪問リハビリ、介護予防通所介護 | 訪問介護(食事・入浴介助など)、デイサービス |
見ての通り、目的もサービス内容も全く違います。要支援1はあくまで「予防」が中心。要介護1は「日常生活の支援」が中心となります。
だからこそ、要支援1の段階でいかに予防サービスをうまく活用するかが、今後の介護生活を左右すると言っても過言ではありません。
【チェックリスト】要支援1で受けられる具体的なサービス一覧
私がケアマネジャーさんに教えてもらった、要支援1で利用できるサービスをまとめました。
- 介護予防訪問介護(ヘルパーさん):掃除や買い物などの生活援助。
- 介護予防通所介護(デイサービス):機能訓練やレクリエーション。他の利用者さんと交流できます。
- 介護予防訪問リハビリ:理学療法士などが自宅でリハビリ指導。
- 福祉用具貸与:手すりや歩行器などをレンタルできます。
- 特定福祉用具販売:入浴補助用具などを購入できます。
- 住宅改修費の支給:手すりの設置や段差解消などの工事費用の一部が支給されます。
これらのサービスは、すべて「介護予防」という名がついています。つまり、元気なうちから介護を必要としない体づくりを目的としているんですね。
【失敗談】介護保険の要介護1の認定で初めて知った!もっと早く利用すればよかったこと
母が要介護2に認定された今、私が「要支援1の時にやっておけばよかった!」と後悔していることが3つあります。
後悔1:もっと早く「介護保険の申請」をすればよかった
母の足腰が弱っているのに、「まだ大丈夫だろう」と申請を先延ばしにしました。要支援1の認定が出るまでに1ヶ月ほどかかり、その間、母の転倒リスクは高まるばかり…。
結果的に、自宅の階段で転びそうになり、私は心臓が凍る思いをしました。
もっと早く申請していれば、訪問リハビリをすぐに始められて、母の足腰がもっと元気な状態でサービスを受けられたはず。申請は早ければ早いほどいい、と声を大にして言いたいです。
後悔2:サービスを「遠慮」してしまった
「こんなことでヘルパーさんを呼ぶのは申し訳ない…」
「まだ母は自分でできるから」
当初の私はそう考えて、ヘルパーさんにお願いするのをためらっていました。
でも、介護はいつ終わるかわからない長期戦です。私がひとりで頑張りすぎた結果、母だけでなく、私の心身も疲弊してしまいました。
介護サービスは、介護者の負担を減らすためにもあるんです。利用できるものは、積極的に利用すべきでした。
後悔3:ケアマネジャーさんに「任せきり」にしてしまった
「プロに任せれば大丈夫」
これも私の失敗でした。ケアマネジャーさんはもちろんプロですが、母の生活のすべてを知っているわけではありません。
「訪問リハビリの先生と、もっとこういう連携はできませんか?」
「デイサービスにこんなプログラムはありますか?」
と、もっと具体的に私から提案すべきでした。
介護サービスは、利用者と家族とケアマネジャーさんが三人四脚で作り上げていくもの。遠慮せず、思ったことはきちんと伝えることが大切です。
【まとめ】介護保険の要支援1と要介護1のサービスの違いを理解して上手に活用する方法
最後に、これまでの内容をまとめます。
介護保険の「要支援1」は、あくまで「予防」が目的。将来の「要介護状態」にならないためのサービスが中心です。
一方、「要介護1」は日常生活を維持するための「生活支援・身体介護」が中心となります。
母の介護を通じて私が学んだのは、要支援1の時期がいかに貴重かということです。
- 早めの申請:異変を感じたらすぐに申請する。
- サービス利用に遠慮しない:介護は長期戦。自分を助けるためにも積極的に。
- ケアマネジャーさんとの連携:任せきりにせず、意見を伝える。
もし今、親御さんの状態に不安を感じている方がいたら、一人で抱え込まず、まずは地域包括支援センターに相談してみてください。
この記事が、少しでもあなたの心と体の負担を軽くする手助けになれば幸いです。
【FAQ】介護保険の要支援1に関するよくある疑問
Q1. 介護保険の要支援1で、デイサービスの利用はできますか?
はい、利用できます。要支援1の方は「介護予防通所介護(デイサービス)」というサービスを利用できます。リハビリやレクリエーション、他の利用者さんとの交流を通じて、心身機能の維持・向上を目指します。
Q2. 要支援1と要介護1では、利用できるサービスにどんな違いがありますか?
大きく違うのは、サービスの内容です。要支援1は「予防」が中心となり、リハビリや機能訓練がメインです。一方、要介護1は「身体介護」も含まれ、入浴や食事の介助、排泄介助など、日常生活を直接的に支援するサービスが利用できます。
Q3. 要支援1で受けられるサービスを増やすことはできますか?
要支援1で受けられるサービスは、予防のためのサービスに限定されています。もし、今の状態ではサービスが足りないと感じる場合は、改めて認定調査を受け直す「区分変更申請」を検討することになります。ケアマネジャーさんに相談してみましょう。
Q4. 介護保険のサービス利用料は、要介護1と要支援1で違いますか?
利用料の自己負担割合は、所得に応じて1~3割で、この点は変わりません。ただし、要支援1と要介護1では利用できるサービスの種類や回数が違うため、月に支払う総額は異なります。詳しくは担当のケアマネジャーさんにご確認ください。
Q5. サービスを受けなくても、要支援1の認定は持っておいた方がいいですか?
はい、持っておくことをお勧めします。要支援1の認定を持っていれば、いざという時にサービスをすぐに使い始めることができます。また、将来の「区分変更申請」もスムーズに進められることが多いです。
この記事が、あなたと大切なご家族の支えになりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。